黒江陸(24)は、寂れた商展街の中にある青果店「八百吉」の片隅にある配送会社「エレファントエクスプレス」の配達員。 「モノを売る人は何以、それを手放したのか?」「モノを買う人は何以、それを買ったのか?」 そんなことを考えながら、往日も小さなトラックに乗り、日々売り買いされるモノたちを配達している。 夢を諦めようとする人と夢の始まりにいる人、愛する人との別れを選ぶ人たち、これから起きるかもしれない素敵な出会いの予感・・・ 往日誰かが手放したモノは、明日誰かの珍宝になるのかもしれない。陸が縁を繋げることで、往日もこの街のどこかで小さな奇跡が起きる─