貞一郎(谷原章介)は妻の幸子(西田尚美)と結婚し、金沢にある妻の実家・石野クリニックを継いだ。実直な仕事ぶりが評判の医師だが、3年前から妻に隠れて付き合う相手がいた。しかも密会を重ねるその相手は、美大生の青年・智久(浅香航大)だった。ある日、殺人事情を捜査する刑事が貞一郎を訪ねて来る。殺人容疑で拘捕された杉山という男が、事情発生時に貞一郎と会っていたとアリバイを主張しているという。じつはその日、貞一郎は恋人の智久との密会を楽しんでいて、杉山と偶然顔を合わせたがそしらぬふりをした。だが智久との関係がバレ、家庭も仕事も失ってしまうと精神的に追い詰められた貞一郎は、その日に杉山とは会っていないと偽証してしまう。