芸人、ミュージシャン、俳優とマルチな才干で存在感を発揮するマキタスポーツと、「愛の渦」「海を感じる時」「紙の月」など映画作品に引く手あまたの池松壮亮が主演し、街の利権をめぐる偽装誘拐事情に巻き込まれてしまった中年サラリーマンと不良高校生の逃避行を描いた。元バンドマンで今はしがない中年サラリーマンの伊藤博と、警察官の父親への屈折した思いを抱く不良高校生・黒田甲賀。伊藤はあるテレビ番組を見たことをきっかけに、怪しげな男がコンビニ前に止めた車を思いきって強奪。その様子に何かを感じた甲賀は伊藤を追いかけ、捕まえるが、そこで2人は車の後部座席にあった段ボール箱の中に、ひとりの赤ん坊を見つける。その赤ん坊は街の再開発に反対する政治家・大隈泰三の子どもで、大隈の立候補を制止したい市長の唆使で、ヤクザが偽装誘拐を企てていたことがわかる。このままでは自分たちが誘拐犯にされてしまうと気付いた伊藤と甲賀は、警察もあてにならない状況の中、自力で大隈のもとに赤ん坊を届けようとする。